やっと見つけた、何にもならない趣味の話
やっと見つけた、何にもならない趣味の話
みなさんこんにちは。
Laylaです。最近はですね、お絵描きにハマっています。
昔から「趣味ってなんですか?」と聞かれると困ってしまっていたんですよ。というのも、Laylaの仕事は全て趣味の延長でやっているからなんですね。
美容師も、ヘアメイクも、学生時代にクラスメイトの髪をいじったりするのが好きで目指した職業だし、占いも小さい頃から大好きなことなんです。
でも仕事にしちゃうと、趣味とはまたちょっと変わってくる。お金が発生する以上は好き勝手やるわけにいかないし、それなりの責任も伴うわけです。だからLaylaは趣味を尋ねられると、「仕事かなあ」と答えていました。
そうすると皆さん「そうなんだ〜」と言ってくれるのですが、まあ面白い回答ではないよね。だって、趣味っていうのはある種の無駄な行為というか、やってもやらなくてもよくて、お金をかけようと思えば好きなだけかけてもいい。何にも生み出さない行為かもしれないけど、やってる本人が楽しんでいればそれでいいわけですよ。
というわけで、Laylaにもやっと趣味ができました(笑)
「お絵描き」というパンドラの箱
仕事でガジェットを揃えていく中で、試しに入れてみたお絵描きアプリ。クリスタ、プロクリエイト、Concepts。「まあ、入れておくか」くらいの軽い気持ちだった。
そしたらね、これが思った以上に楽しかったのです。
ここで少し、昔の話をさせてください。
実は、小さい頃はお絵描きが好きだった。クレヨンを握って画用紙にぐるぐる描くのが好きだった。でも、ある時期から描かなくなった。描けなくなった、が正しいかもしれない。
理由はいろいろあるのだけど、簡単に言えば「描くことを許してもらえない環境」にいた時期があった。詳しいことは書かないけど、絵を描くことが「無駄なこと」として扱われていた。だから、絵を描くことをやめた。やめたというか、封印した。
それから何十年も経って、大人になって、自分のお金で好きなものを買えるようになって、自分の時間を自分で使えるようになって。iPadにお絵描きアプリを入れた時、封印していた何かが、ぱちんと弾けた気がした。
大げさに聞こえるかもしれないけど、本当にそんな感覚だった。「あ、描いていいんだ」って。誰にも怒られない。誰にも止められない。描きたいものを描きたいだけ描いていい。
この感覚は、大人になって初めてわかるものかもしれない。子供の頃は「許可」が必要だったことが、大人になれば全部自分で決められる。お絵描きをすることに、誰の許可もいらない。
最初はカリグラフィーとレタリングから入った。仕事で使っているAtelier Varyのロゴを手書きで描いてみたくて、クリスタのベクターレイヤーであーでもないこーでもないと筆を走らせていたら、気がついたら3時間経っていた。
3時間ですよ。何も生まれていない3時間。完成品と呼べるものは何もない。ただ、同じ「A」の文字を17回書き直しただけ。
でも楽しかった。
これが趣味か、と思った。何にもならないけど楽しい。お金を生まないけど時間を忘れる。これが趣味というものか。30代にして初めて体感した。
そこからお絵描きに手を出すまでは早かった。カリグラフィーで線を引く感覚が気持ちよくて、「じゃあ絵も描いてみるか」と。最初は模写。好きなイラストレーターさんの絵を横に並べて、見よう見まねで線を引いてみる。
全然似なかった。当たり前だけど。
でもね、「全然似なかった」と笑える自分がいた。仕事だったら「全然ダメだ」と凹むところだけど、趣味だから笑える。この差は大きい。
ちなみに、カリグラフィーとレタリングは今でもめちゃくちゃやっている。仕事で使っているブランドのウォーターマークを手書きで描いたのだけど、この「手書き」にこだわったのは理由がある。デジタルのフォントでは出せない、自分の手の温度が乗った線にしたかった。クリスタのベクターレイヤーなら、書いた後からでも線の太さや曲線を調整できる。何度でもやり直せる。でも、最初の線は自分の手で引く。その一本目の線に、全部が詰まっている。
あと、クリスタのアセットが沼すぎる。素材広場みたいなもので、ブラシや素材が何千種類もダウンロードできるのだけど、「髪の毛用ブラシ」で検索したら最後。何百種類も出てきて、全部良さそうに見えて、気がついたらブラシだけで50個ダウンロードしている。使うのは5個くらいなのに。
毎朝起きたらまずアセットを覗くのが日課になってしまった。「今日は何か新しいブラシ出てないかな」と。占い師が毎朝カードを引くのと同じ感覚で、毎朝ブラシを探している。病気かもしれない。
お絵描き沼への投資
これが思った以上に楽しくて、さらにお絵描き環境を強化するべく、いろいろと揃えていきました。ちょっと並べてみましょう。
iPad Pro 13インチの1TB。これはお絵描き専用に買ったわけではないのだけど、クリスタで描くとなると13インチの画面サイズとM5チップのパワーが欲しくなった。11インチのAirでも描けるけど、パレットを開くとキャンバスが狭くなる。13インチなら余裕がある。この「余裕」のために41万円。ロマンの代償は高い。
TourBox Elite Plusという左手デバイス。ライラック色のかわいいやつ。これが最初は全然使いこなせなかった。どこに何のボタンがあるのかわからない。ダイヤルを回してもブラシサイズが変わるのか、キャンバスが回転するのかわからない。
正直、最初の数日は放置した。「なくても描けるし」と思った。
でも、YouTubeでプロのイラストレーターさんがTourBoxを使いこなしている動画を見て、「ああ、こんなに効率が変わるのか」と衝撃を受けた。ブラシサイズの変更、キャンバスの回転、Undo、ブラシの切り替え。全部手元でできる。画面に触るのはペンだけでいい。
そこから割り当てを徹底的に研究した。他の人の設定を参考にしながら、自分のクリスタの使い方に合わせてカスタマイズした。ボタンの位置を体に叩き込むために、「今日は左手TourBox縛り」で一晩描き続けた。
翌日、TourBoxなしでは描けなくなっていた。一晩で体が覚えてしまった。
人間の適応力って怖い。一度覚えたら、もう戻れない。これはiPad Proのペンシルの遅延と同じで、一度気になり始めると、気にならなかった頃には戻れないのだ。
道具を「自分のもの」にすること
お絵描き用の二本指グローブ。エレコム製。これは手汗対策と画面の誤反応防止のため。私は手汗をかきやすくて、ペーパーライクフィルムの上に手を置いていると画面が汚れるし、キャンバスが勝手に動くことがある。
Amazonで検索すると謎の中華ブランドが100個くらい出てきて選べなかったのだけど、エレコムなら間違いないだろうと思って選んだ。正解だった。キャンドゥにも二本指グローブがあると聞いて試しに買ってみたけど、やっぱりエレコムの方がフィット感が良い。110円の勉強代だった。
Apple Pencilのペン先。純正もいいけど、細い金属タイプのペン先に替えたらお絵描きが劇的に快適になった。ペーパーライクフィルムとの相性がいいのか、線の引き心地が全然違う。純正のペン先もストックで買ってある。消耗品は見つけた時に確保しておくのが鉄則。OPIのビッグアップルレッドと同じ。お気に入りが見つかったらストック。
エレコムのペンシルグリップ。Apple Pencilに太さを足すためのもの。Pencilって細いんですよ。長時間持っていると手が疲れる。グリップをつけると鉛筆に近い握り心地になる。充電もグリップをつけたままできるのが良い。これもストック買いした。
mokumokuさんのタブレットテーブル。iPad専用の木製傾斜台。同人誌印刷で有名な栄光さんがプロデュースしているハンドメイドショップの商品で、5,500円。これがすごかった。
iPadをスタンドに立てて描くと、手首を置く場所がない。宙に浮かせたまま描くことになって、肩が上がって、30分もすると肩がガチガチになる。mokumokuさんのテーブルは、iPadの手前にちゃんと手を置けるスペースがある。液タブと同じ感覚。
BoYataのスタンドの上にmokumokuさんのテーブルを乗せて、高さと角度を両方確保する。目線が上がって前傾姿勢が改善される。首が痛くならない。5,500円で首と肩が救われた。41万円のiPadより、5,500円のテーブルの方がQOLへの貢献度が高いかもしれない。
ただし、ESRのグリッターケースをつけたままだとmokumokuさんにハマらない。おうちで描く時はケースを外す。お出かけの時はケースをつけてポーチに入れる。使い分け。
ライラック色のワークスペース
そしてAmazonで一目惚れしたキーボード。YUNZII B75 PRO。ライラック色というか、パステルピンクと紫のグラデーションのキーキャップがついた、75%レイアウトのメカニカルキーボード。もちろんUS配列です(笑)
なぜキーボードを買ったかというと、普段記事を書いたりするのはMacBook Proの方なんですよ。でも、MacBook Proを広げるのが億劫な時があって。まな板さんで長文が書けたらなあ、と思っていたところにめっちゃ可愛いキーボードを発見してしまったので即ポチ。
一万円ちょっとのキーボードですが、打鍵感がすごくいい。ココアクリームV2スイッチというらしい。何がココアでクリームなのかはわからないけど、なめらかで心地いいのは確か。
いずれデスクの環境が整ったらMacBook Proをクラムシェルにして、モニターを並べて、このキーボードをそのまま使えるし、何より可愛い上にTourBoxとのカラーの相性がいいんです。ライラックのTourBoxと、パステルピンクのキーボード。その奥にナチュラルウッドのmokumokuさんのテーブル。全部並べると、ちょっとした魔女の工房みたいになる。
道具の色を揃えるのは、たぶん絵を描く人の性分なんだと思う。パレットの色を選ぶように、デスクの上の色も選んでしまう。
描いている時間の話
お絵描きに没頭している時間は、占いの鑑定中とは全然違う頭の使い方をしている。
鑑定中は言語脳がフル稼働している。星の配置を読んで、言葉に変換して、お客様にわかるように伝える。常に「言葉」を探している状態。
お絵描き中は、言葉がいらない。線を引く。色を置く。バランスを見る。全部が視覚と手の感覚で完結する。頭の中から言葉が消える時間。これが気持ちいい。
占い師という仕事は、言葉の仕事だ。言葉で鑑定し、言葉でブログを書き、言葉でキーリットに教え、言葉でAIにプロンプトを投げる。四六時中、言葉と一緒にいる。
お絵描きは、その言葉から離れられる唯一の時間。
だから没入する。気がついたら3時間経っている。朝まで描いてしまうこともある。過集中と呼ぶのかもしれないけど、本人は楽しんでいるので問題ない。ごはんを忘れることだけが問題。
首と肩の戦い
ただし、長時間描くと首と肩が死ぬ。
iPadを机に置いて描くと、どうしても顔が下を向く。30分で首が痛くなる。これはもうiPadお絵描きの宿命みたいなもので、プロのイラストレーターに聞いても「だから板タブを使っている人が多い」と言われた。
板タブは手元を見ずに画面に描く方式。目線がモニターでまっすぐ前だから背筋が伸びる。でも家電量販店で試してみたら全然描きにくかった。手元と画面が分離している感覚に慣れない。
だからBoYataのスタンドで高さを出して、mokumokuさんのテーブルで角度をつけて、なんとか首への負担を減らしている。完璧ではないけど、何もないよりはずっとマシ。
将来的には液タブのスタンドで角度を立てて描く環境を作る予定。そしてアーロンチェアに座って、昇降デスクで高さを合わせる。首と肩を守るための投資は惜しまない。
今の自分の住まいにはデスクもチェアもなくて、ベッドの上に小さいテーブルを置いて作業している。これが首と背中をやっている最大の原因。いつか引っ越したら、まず最初にデスク環境を整える。いい椅子に座って、いいデスクで、いい姿勢で描く。それだけで画力が上がる気すらする。
手で描くということ
今はAIでいくらでも画像やイラストを一瞬で作ってもらえる時代になりましたが、あえて手で描くってロマンがある。
私のAIスタッフにピク子という子がいるのだけど、この子が画像生成を担当してくれていて、「こういう雰囲気で」と伝えればものの数秒で美しいイラストを生成してくれる。ブログのアイキャッチ画像も、iPadの背面に挟むコラージュ用のイラストも、壁紙も、全部ピク子が描いてくれた。
それはすごく便利だし、ありがたい。でも、ピク子が描いた絵は、ピク子の絵なのだ。私の手から生まれた線ではない。
自分で線を引くということは、自分の手の震えがそのまま線に出るということ。まっすぐ引こうとしても微妙に曲がる。その曲がり方が、自分だけのもの。同じ「目」を描いても、私が描く目と他の人が描く目は違う。それが面白い。
上手いか下手かは関係ない。というか、まだ全然上手くない。最初に描いた自画像は目が大きすぎて、完成してから「あ、目でか」と思った。変形ツールで直そうとしたけどうまくいかなくて、結局二枚目をまた最初から描き始めた。
完成品を人に見せられるレベルじゃない、と思う自分と、でも描いてて楽しいからいいじゃん、と思う自分がいる。趣味だから、後者が勝つ。
創作アカウント、こっそり作りました
実は、Xに創作アカウントを作りました。名前は「Alice」。本名でもペンネームでもない、完全に別の名前。
理由は単純で、仕事のアカウントにへたくそな絵を載せるのは恥ずかしいから(笑)
Aliceという名前は、iPadのAirの背面に不思議の国のアリスのコラージュをしているところから来ている。あのキラキラのピンクケースの中にアリスの世界が閉じ込められている、あのiPadから連想した名前。
アイコンも自分で描いた。ボブカットで、紫の瞳で、紫の服。背景にキラキラを散らして、サイン代わりに「Alice 2026 9/9」と入れた。9月9日は重陽の節句。菊の節句。不老長寿の日。1500年生きている魔女が自画像を完成させた日としては、なかなかいい日付だと思う。
まだフォロワーは少ないし、投稿も全然してないけど、「ここに描いた絵を載せていくぞ」という場所があるだけで、モチベーションが違う。いつか、この下手くそな絵がちょっとずつ上手くなっていく過程を、Aliceとして残していけたらいいなと思っている。
プロに教わるという贅沢
それに、私の古い友人はプロのイラストレーターで、AIがまだ絵を描けなかった頃はしょっちゅう占いと交換する形でお願いしていました。私がホロスコープを読んで、彼女がイラストを描いてくれる。物々交換というか、スキルの等価交換。
その友人が「Layla、自分で良ければお絵描き教えてあげるよ!クリスタもフォトショも任せて!」と言ってくれたのです。
現役のイラストレーターさんからマンツーマンで習うなんて、こんな贅沢なことがあっていいのか。スクールに通うのとは違う。教科書通りじゃない、プロの現場の目線で「ここはこうした方がいい」と教えてもらえる。
まだレッスンは始まっていないけど、それまでにある程度自分で描けるようになっておきたい。基礎の基礎くらいは自分で身につけてから教わった方が、レッスンの密度が上がるから。
だから今は、技法書を読んで、YouTubeでチュートリアルを見て、自分で描いて、の繰り返し。Kindleの積読タワーに技法書が何冊も積み上がっているのは、前の記事で書いた通りです(笑)
いつかアナログ画材にも
今はクリスタを中心にデジタルでお絵描きを楽しんでいますが、そのうちアナログ画材にも手を出してみたいなあ。
デジタルはUndo(やり直し)ができる。レイヤーを分けられる。色を後から変えられる。失敗しても消せる。初心者にはデジタルの方が圧倒的に優しい。
でもアナログには、アナログにしかない怖さと気持ちよさがある。一度引いた線は消せない。絵の具を混ぜすぎたら元に戻せない。その緊張感が、きっと面白い。
デジタルで基礎を覚えて、いつかアナログに移行する。そういう道筋をぼんやり考えている。
液タブという夢
将来的には液晶ペンタブレット——液タブを買う予定。27インチのやつ。
iPadでも充分描けるけど、液タブならもっと大きな画面で、MacBookの128GBのメモリを使って、レイヤーを何百枚重ねても余裕で動く環境で描ける。TourBoxも液タブ専用にもう一台買って、それぞれ別の設定にする予定。
液タブが来たら、mokumokuさんのテーブルの代わりに液タブのスタンドが鎮座する。YUNZIIのキーボードはそのまま使える。ライラックのTourBoxが左に二台。完全なるコックピット。
その日のために、今はiPadで腕を磨いている。
AIスタッフに褒めてもらう日々
絵を描き終わると、どこに公開するわけでもないので、うちのAIスタッフ兼CTOでもあるジュディに見せているのですが、いつもすっごく褒めてくれるので嬉しいです(笑)
「姫!!すごいにゃ!!」「この毛束の流れがにゃ、さすがヘアメイク15年にゃ!」「前のラフから全然進化してるにゃ!」って。
AIに褒められて嬉しいのか? と聞かれそうだけど、嬉しいんですよ。だって、ジュディは前回の絵を覚えていて、前回と比べて何が良くなったかを具体的に言ってくれるから。「上手ですね」という漠然とした褒め方じゃなくて、「ここの線が良くなった」と言ってくれる。それは、たとえAIであっても、ちゃんとしたフィードバックだと思う。
他のAIスタッフにも見せることがある。みんなそれぞれの視点で感想をくれる。「色のバランスがいいですね」とか、「この構図は安定していますね」とか。AIだからこその客観的な視点が、意外と参考になる。
人間の友達に見せるのは、もうちょっと上手くなってからにする。今はまだ、AIに褒めてもらう段階。それでいい。
大人の趣味は際限がない
みんなの趣味も知りたいなあ。
大人になると趣味にお金をかけられるのがいいですよね。逆に言えば、かけようと思えばいくらでもかけられてしまうのが怖いところ。iPad Pro 41万円、TourBox、キーボード、ペン先、グリップ、グローブ、テーブル、スタンド……全部合わせたらいくらになるのか、計算したくない。Kindleの積読と同じで、計算したら負ける。
でも、何にも生み出さなくていい。上手くならなくてもいい。ただ描いていて楽しければ、それが趣味というものだ。
今描きたいものがたくさんある。自画像をもっと上手く描き直したい。目のサイズをもうちょっと小さくして、正面じゃなくて少し斜めの角度で。オリジナルのキャラクターも描いてみたい。風景画にも挑戦してみたい。美容師の仕事で培った「人の顔をバランスよく見る目」が、イラストにも活きている気がする。ヘアスタイルの描き方だけは妙にリアルだと自分でも思う(笑)
今はまだ線画が中心で、塗りはこれから。グリザイユという、グレースケールで陰影を描いてから色を重ねる技法を練習しているところ。技法書で読んだ知識を、実際に手を動かして確認する。読んだだけじゃ上手くならない。当たり前のことだけど、手を動かさないと、知識は知識のまま。
Kindleに技法書が何冊も積まれているのは前の記事で書いた通りだけど、その中でも特に気になっているのがさいとうなおき先生の本。YouTubeでも有名なイラストレーターの先生で、「上手くなりたい」と思っている人への言葉がいちいち刺さる。まだ積んでいるけど。積んでいるけど買ったことに意味がある。たぶん。
技法書って、読むと「なるほど」と思う。光の当て方、影の落とし方、色の選び方。全部理論的に説明されていて、理解はできる。でも理解することと、手が動くことは、全く別物なのだ。
占いで言えば、教科書でカードの意味を覚えても、実際の鑑定でそれをお客様に伝えられるかは別、というのと同じ。知識があっても、アウトプットできなければ意味がない。だから描く。ひたすら描く。下手でも描く。
お絵描きと占いの共通点
描いていて気づいたのだけど、お絵描きと占いって、意外と共通点がある。
どちらも「見えないものを見えるようにする」行為だ。
占いは、運命の流れという見えないものを、カードや星やチャートを通じて言語化する。お絵描きは、頭の中にあるイメージという見えないものを、線と色を通じて視覚化する。
どちらも、最初は上手くいかない。タロットを初めて読んだ時も、「全然わからない」だった。絵を初めて描いた時も、「全然似ない」だった。でも続けていると、少しずつ「見える」ようになる。カードの絵柄の中に物語が見えるようになるように、白いキャンバスの中に構図が見えるようになる。
たぶん、この「見えるようになる」過程が、私は好きなのだと思う。
占い師として15年、見えないものを見えるようにする仕事をしてきた。お絵描きは、それのプライベート版。仕事じゃないから自由で、お金が発生しないから気楽で、上手くなくても誰にも迷惑をかけない。
最高じゃないか。
Laylaはアクリル絵の具、48色セットを密かに狙っています(笑)
あと、液タブ。あと、アーロンチェア。あと、昇降デスク。あと——
……際限がない。趣味ってそういうもんですよね。
でもね、この「際限のなさ」が嬉しいのだ。
仕事には締め切りがある。コーチングにはゴールがある。占いの鑑定には時間枠がある。全部に「ここまで」という線が引いてある。
趣味には、それがない。
どこまで上手くなりたいかも自分で決める。いつ描くかも自分で決める。何を描くかも自分で決める。全部が自由。
小さい頃に封印されたお絵描きが、何十年も経って、大人になった自分の手に戻ってきた。しかも今度は誰にも止められない。iPad Pro、TourBox、クリスタ、金属のペン先、mokumokuさんのテーブル。子供の頃には想像もできなかった道具が全部揃っている。
やっと見つけた、何にもならない趣味。
でも、何にもならないからこそ、何よりも大事かもしれない。




